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METAL GEAR SOLID 03



補足】青色文字は通信中の台詞です
     【】内は情景等の補足説明です
     黄色文字は洗脳中の台詞です

01 ナレーション 地下2階へと潜入したスネークは隠し部屋を発見し踏み込んだ。薄暗い部屋の中には4本の柱があり手前の柱には、壁に縛り付けられた老人がうな垂れていた。
スネーク 遅かったか?
ベイカー うぐっ!・・・!!
スネーク 生きていたか。アームズ・テックの社長、ケネス・ベイカーだな?心配するな、助けにきた。
ベイカー 触るな!
スネーク !C4爆弾。
ナレーション 老人の体にはワイヤーが幾重にも巻かれており、それは他の柱にも繋がっていた。その時、撃鉄が引かれる音が微かに鳴った。スネークは咄嗟的に後方に飛び退る。銃弾がスネークの体スレスレを通り抜けていく。西部のガンマンを思わせるいでたち、白髪の長髪、口髭の男が柱の影から銃を流暢に指でクルクルと回しながら現れた。
オセロット そうだ!そのワイヤーに触れると、そいつ共々C4が爆発する!お前がボスのお気に入りか?
スネーク お前は!?
10 オセロット 私はフォックスハウンド部隊・・・リボルバー・オセロット!待っていたぞ、ソリッド・スネーク!お前が噂どおりの男かどうか試してやろう!こいつは世界で最も高貴な銃、シングル・アクション・アーミーだ。6発だ、6発以上 生き延びた奴はいない。私がなぜリボルバーと呼ばれているか、じっくりと味あわせてやる。
ナレーション オセロットは銃をホルスターに戻し、ガンマンの決闘シーンを演じながら声を上げた。
オセロット 来い!!
ナレーション オセロットが銃を抜き2発目の銃弾を放った。スネークは柱に身を隠し回避しながら自らも銃を携えた。スネークは頃合をみて飛び出し発砲する。数発の銃撃戦が続き、膠着状態に入ったと思われた時、オセロットの口端が吊り上がった。
オセロット こういう戦いかたもある!
ナレーション 6発目の銃弾が壁に当たり兆弾となってスネークに命中した。
スネーク ・・・スニーキングスーツを着ていなければ危なかった・・・こうか!
ナレーション スネークが発砲した銃弾もまた兆弾となりオセロットの肩口を掠める。
オセロット いいセンスだ!やはりボスと同じコードを持つ男。久しぶりだよ、これほど充実した闘いは・・・そろそろ本気を出して行こうか!
ナレーション 再装填した銃を携えオセロットが柱から飛び出した。その時!オセロットの前の空間が歪んだかのように揺れ、次の瞬間オセロットの右手首が自慢の銃と共に地面に落ちた。
20 オセロット なに!!右手が!!
ナレーション 瞬く間に柱に巻かれていたワイヤーが斬り裂かれた。C4爆弾が、地面に倒れ伏したベイカーの真上で爆発する。オセロットはその爆風に巻き込まれ腕から血を噴出したまま壁に激突する。
オセロット うわあっ!・・・!うぐっ!!・・・ステルス迷彩か!死に損ないが・・・!
ナレーション 今まで何もなかった空間に突如として忍者を思わせる風体の男が刀を携え出現した。
オセロット 邪魔が入った、また逢おう!
ナレーション オセロットは銃を自分の手首ごと左手で引っ掴むと隠し扉に消えて行った。
スネークは忍者に銃口を向け身構えた。
スネーク 誰だ・・・!?
忍者 名前などない・・・お前と同じだ・・・。
ベイカー !その強化骨格は・・・!
ナレーション 忍者は突如 絶叫ともとれる叫び声をあげながら全身を痙攣させ、再びステルス迷彩を作動させ、空間に溶け込むように姿を消した。
スネーク ・・・奴は一体。
30 ナレーション スネークは銃をホルスターにおさめ、ベイカーに話しかけた。
スネーク 話せるか?
ベイカー 君は?
スネーク 奴等の仲間ではない。ダーパ局長は起爆コードを知られたと言っていた。あんたの起爆コードは?
ベイカー ふん、なるほど・・・。ジム・・・国防総省(ペンタゴン)の遣いか。
スネーク 質問に答えろ。起爆コードは?時間が無いんだ。
ベイカー ・・・私は・・・喋ってしまった。
スネーク 何!・・・これで起爆コードは2つとも奴等の手に渡ってしまった・・・。
ベイカー 私だって抵抗しなかったわけじゃない。サイコ・マンティスの侵入(ダイブ)はかわしたんだ。
スネーク サイコ・ソルジャーの読心(リーディング)能力を?どうやって?
40 ベイカー 精神手術だ。
スネーク 精神手術?
ベイカー 我々のような極秘コードを知る者は、皆、手術を受けている。
スネーク ダーパ局長もそうなのか?
ベイカー そうだ。
スネーク 確か局長はマンティスに起爆コードを読まれたと・・・。
ベイカー 聞き違いじゃないのか?
スネーク いや・・・まあいい。なぜ あんたの起爆コードは奴等に知られた?
ベイカー 拷問に耐える訓練なぞ受けておらんからな。
【咳き込み】
スネーク その様子じゃ、相当可愛がられたようだな。
ベイカー あいつは普通じゃない。明らかに拷問を楽しんでおった・・・。
50 スネーク その腕は?
ベイカー 奴に折られた・・・。
スネーク おあいこだ、あいつも腕を無くした。
ベイカー フンッ・・・面白い男だな?
それでダーパ局長はどうした?無事か?
スネーク 死んだ。
ベイカー なんだと?まさか!約束が違うじゃないか?ジムめ!やはり私の口封じを!
スネーク 落ちつけ!何を勘違いしている?俺はあんたを助け出すように言われただけだ。ダーパ局長も俺が殺したわけじゃない。心臓発作のようだった・・・。
ベイカー 心臓発作だと?馬鹿な・・・!
スネーク とにかく、起爆コードは2つとも奴等の手に渡ってしまった。
ベイカー 連中 完全にイカれとる。奴等なら核の発射をためらうことなどない・・・。
60 スネーク だろうな・・・一体奴等の目的は何だ?
ベイカー さぁな・・・だが 我々武器屋が必要とするように・・・彼等も戦争の火種を必要としているのかもしれん。
スネーク いずれにせよ好きにさせるわけにはいかない。今も鍵を持っているか?
ベイカー 鍵?
スネーク 起爆コードを緊急解除する鍵だ。あんたが持っていると聞いた。
ベイカー もう ここにはない。
スネーク 何だって?まさかテロリストに?
ベイカー いや、女に渡した。
スネーク 女?誰だ?
ベイカー 一緒に独房に入れられていた兵士だ。
70 スネーク 独房?あの女兵士か?
ベイカー 当日演習に合流したばかりの新兵らしい。蜂起への参加を断って捕まったと言っていた。
スネーク 当日に合流?では・・・あの女が大佐の姪?
ベイカー 鍵は彼女に渡した。脱獄には成功したらしいが、無事だろうか?
スネーク 無事だろう、新米だが したたかだよ彼女は。しかし、どうして脱獄のことを?
ベイカー 彼女とは無線機で連絡を取り合っていたんだ。ここに縛られるまでな。
スネーク 無線?
ベイカー そうだ、看守から奪ったものらしい。今でも彼女が無線機を持っていたら話せるはずだ。
スネーク 大丈夫、持ってるはずだ。周波数帯はどこを使っていた?
ベイカー よし、無線機の周波数を教えよう。・・・ん?・・・すまん、ド忘れした。
80 スネーク クソッ!
ベイカー そうだ、パッケージの裏に載っているはずだ。連絡をとってみろ。
スネーク ああ、まずは彼女に話しを聞いてみよう。
鍵が手に入らなかった場合、核発射を防ぐ手だてはあるのか?
ベイカー そうだな・・・うちの写真のハル・エメリッヒという男を捜してみろ。
スネーク 誰だ、そいつは?
ベイカー メタルギア・プロジェクトの開発チーフ、優秀な技術者だ。少々変わり者だがな・・・。あいつなら発射を食い止める手だてを考えつくかもしれん。
スネーク 方法を思いつかなければ?
ベイカー 破壊するしかない。エメリッヒなら破壊方法も知ってるはずだ。
スネーク その男はどこに?
ベイカー おそらく、核弾頭保存棟のどこかに軟禁されているだろう、ここから北にある。奴の仕事場はそこだった。
90 スネーク わかった・・・しかし、なぜメタルギアなんだ?核の時代は20世紀に終わったはずだ。
ベイカー それは違う、核の脅威は消えてはいない。以前よりもよりリアリティを増している。
使用済み核燃料、解体核プルトニウムは今も増え続けている・・・。あんた、どこでもいいが、核物質貯蔵庫を見たことがあるか?
スネーク いいや。
ベイカー 広くもない地下貯蔵庫に核廃棄物を入れた容器が山積みになっている。核物質には有効な処理法も利用法もないからな。
スネーク ただ放り込むしかないということか。
ベイカー うむ・・・しかもその管理は杜撰(ずさん)を極める。多くの貯蔵容器が腐食し廃液が漏れ出していた。
スネーク ひどいな。
ベイカー それだけじゃない。年に何キロかのMUF(マフ)も発生している。
スネーク MUF(マフ)?
ベイカー 核廃棄物不明量を示す言葉だ。核物質の闇取り引きが横行している証拠だ。さらに冷戦の終結以来、特にロシアの核技術者は職にあぶれ 行き場を失っている。つまり、核兵器製造に必要な技術者と核物質、そのどちらも 簡単に手に入るんだよ。どんな小国でも核武装可能な時代になったんだ。
100 スネーク 他の核大国はどうなんだ?
ベイカー ロシアも中国も依然として核抑止を継続している。核廃絶の実現など不可能なのだ。だからこそ、抑止理論を保つには、圧倒的な兵器が必要なんだよ。
スネーク それが メタルギアか?
ベイカー うむ・・・。「平和」という幻想に基づく軍縮・・・折りからの経済不振で我々の業界は大きな打撃を被った。
スネーク 大手兵器企業の買収、合併・・・よく聞く話だな。
ベイカー 次期主力戦闘機計画の入札にも失敗した我が社にとって、メタルギア・システムは生き残りをかけた切り札だった。そのために隠密計画(ブラック・プロジェクト)として開発を進めていたのだが・・・。
スネーク 隠密計画(ブラック・プロジェクト)?
ベイカー 国防総省(ペンタゴン)の影の予算による隠密計画(ブラック・プロジェクト)だ。余計な手続きを避け、兵器開発でリードタイムを稼ぐことができる。誰も手出しはできん。たとえ、国防省監視委員会の連中でさえもな。
スネーク 癒着・・・か。
ベイカー 軍産複合体と言ってくれ。今回の演習結果で正式採用が決められるはずだった・・・。
110 スネーク あんたの会社の経営がどうなろうと知ったことじゃない。
ベイカー フン・・・あんたら兵隊に我々の苦悩などわかるまい・・・。ほら、これが目的なんだろう?
スネーク それは?
ベイカー 光ディスクだ、ここに全てが入っている、ハードディスクは銃弾でクラッシュした。データはもうこの中にしかない。
スネーク 何のデータだって?
ベイカー 例の演習データを収めている。別にとぼけることはない、あんた、これを回収するように言われて来たんだろう?私はあの拷問マニアからこれを守りきった。奴等はこのディスクの存在にまだ気が付いていない。この事をジムに・・・あんたのボスにちゃんと報告しておいてくれよ。
スネーク 歩けそうか?
ベイカー いや、ここで休ませてくれ。奴等ももう、私には用はないはず。
スネーク もうひとつ聞きたい。さっきの忍者はなんだ?何か知ってるんじゃないのか?
ベイカー ああ あれか・・・。あれはフォックスハウンドの暗部だ。
120 スネーク 暗部?
ベイカー 実験体・・・ゲノム兵士のな。
スネーク 知ってるのか?
ベイカー 私よりフォックスハウンドの・・・Dr.ナオミ・ハンターに聞いてみたらどうだ?
スネーク ナオミ?
ベイカー とにかく奴等を止めねばならん。アレが公になれば、我が社も私も・・・終わり・・・。
スネーク メタルギアは既存事実じゃないのか?
ベイカー それ自体はな、だが・・・ウグッ!!
スネーク おい!!
ベイカー 貴様、何かしたな?まさか、例の!?国防総省(ペンタゴン)の役人どもめ・・・そうか・・・そういうことか・・・!
130 スネーク 何を言ってる?
ベイカー 奴等は・・・お前を・・・利用し・・・ウッ!
スネーク ・・・なぜだ!?

大佐!聞いてるか!こいつも死んだぞ!!
キャンベル ・・・わからん。
スネーク いいか、隠し事はするな!
ナオミ 心臓発作のように見えるけど。
スネーク 毒物じゃないのか?
ナオミ ・・・確かに、大量投与すれば心臓発作を起こす薬物は、いくつかあるわ。塩化カリウムとか、ジゴキシンとか。でもそれは検死をしなければわからない。
スネーク くっ!
キャンベル スネーク、頼む。メリルと協力してくれ!
140 スネーク あいつは信用できるのか?
キャンベル 私よりは信用できるだろう。
メリルに連絡をとってみてくれ。スネーク、冷静になってくれ。
スネーク ナオミ、聞きたいことがある。さっきの忍者はなんだ?フォックスハウンドの隊員か?
ナオミ ちがうわ・・・。
スネーク 心当たりはないんだな?
ナオミ ええ、うちにあんな隊員はいない・・・。
スネーク ・・・そうか。
キャンベル スネーク、頼んだぞ。