デビルマン - アーマゲドン編 -
明と了
01 ナレーション アーマゲドンの果てに、次の時代の支配者となるのは、神か、悪魔か。
デーモンとデビルマン、どちらが神であったのか。人間と かりそめの支配者に、それを知る権利はない。
人間は互いに殺し合い、自ら滅びの道を選んだ、愚かで小さな動物でしかないのだから。
飛鳥了/サタン 何を悲しんでいる明、これでいい、これでまた世の中が変わるのだ。愚かな人間どもが汚す前の地球に、人間のいない、美しいデーモンの星に。
不動明/デビルマン 俺は人間を守るために戦ってきた!だが、今の人間に守るべき価値があるのか!?無い!今の人間はケダモノ以下だ!・・・だが美樹、君がいる限り、俺はデーモンにはならん、体はデーモンでも、心は人間だ!君がいる限り、俺はデビルマンだ!
飛鳥了/サタン デーモンはもう、手をくださない。人間の滅亡を静かに待つ。
地球はデーモンのものだ、人間はデーモンの留守に居座った異物でしかない。
明、デーモンと共に新しい時代に生きよう。
不動明/デビルマン 飛鳥了、貴様一体何者だ!?俺は人間を、美樹を守るためにデビルマンになった!俺は人間だ!不動明だ!
飛鳥了/サタン 不動明、君は何ものだ?人間か?
不動明/デビルマン 俺は!俺はあああああああっ!
飛鳥了/サタン 牧村美樹。彼女ももういない、君を人間の世界に引き止めておくものは何も無いはずだ。それでも戦うか?不動明が生きられる世界は、デーモンの世界だけなんだ。
デビルマンとサタン
飛鳥了/サタン 明・・・いや、デビルマン。もう一度考えなおせ。
10 不動明/デビルマン 今更・・・なにがいいたい?
飛鳥了/サタン 君が愛した人間たちは生き残れる。デビルマンたちが我々デーモンと戦わずに、共に生きる道を選べば。
不動明/デビルマン 馬鹿な。
飛鳥了/サタン 君が生き延びれば、君の中の人間の心は失われない、人間は死に絶えたことにはならないはずだ。
不動明/デビルマン 俺は、自分が生き延びるためにデーモンと合体したんじゃない。
飛鳥了/サタン 私は・・・デビルマン軍団と戦いたくはないんだ。
不動明/デビルマン 俺の答えは決まっている。
飛鳥了/サタン ・・・そうか。
明・・・新しい時代に生きてくれ。
不動明/デビルマン 了・・・貴様がサタンだったのか。・・・サタン。
女(イヌ型デビルマン) どうでした?
20 不動明/デビルマン もういい。仲間たちを集めてくれ。
女(イヌ型デビルマン) はい。
不動明/デビルマン サタンは、天使のように美しいそうだな。
女(イヌ型デビルマン) ええ。サタンは堕天使です。神に反逆し天国を追われた。
不動明/デビルマン それで?
女(イヌ型デビルマン) 天国を追われたサタンは、悪魔を部下として神と戦争をしたのです。その戦争にサタンは敗れました。
敗れたサタンは神によって悪魔と共に氷の世界に閉じこめられたのです。
不動明/デビルマン サタンは天使か・・・デーモンではなく・・・神か。
女(イヌ型デビルマン) !サタンに・・・お会いになりましたの?
不動明/デビルマン ああ・・・会ったらしい。
女(イヌ型デビルマン) ・・・何を考えていますの?
30 不動明/デビルマン サタンのこと、人間のこと、サタンとの取り引きのこと。
女(イヌ型デビルマン) 取り引き?
不動明/デビルマン デビルマンも、デーモンとして新しい時代に生きられる。・・・サタンはそう言った。
女(イヌ型デビルマン) どうなさいます?
不動明/デビルマン 仲間を集めろ。
女(イヌ型デビルマン) はい!・・・いよいよ、始まるのですね。
不動明/デビルマン 取り引きには応じない・・・決戦だ。
俺たちデビルマン軍団が生き残るか、デーモンが生き残るか、決着をつける。
女(イヌ型デビルマン) では
不動明/デビルマン 先に戻ってくれ、一人になりたい。
女(イヌ型デビルマン) しかし
40 不動明/デビルマン 美樹を、葬ってやりたい。大丈夫だ、すぐ行く。
女(イヌ型デビルマン) ・・・分かりました。
不動明/デビルマン 美樹!・・・俺には、もう何もない、生きる希望も、幸福も、生きる意味さえも、守るべきものもいなくなってしまった・・・美樹・・・ごめんな。
だが飛鳥了!いや、大魔神サタン!俺は貴様と戦わずにはいられない!人間を守るための戦いではないぞ!地球上に生き残るのは、デーモンか!デビルマンか!勝負だサタン!!
ゼノン
ゼノン サタン様、あなたの狙い通りになりましたな。2年前、氷の世界から蘇ったあなたは、人間を知るために人間になると言われた。
飛鳥了/サタン そうだったなゼノン、私は人間の心も持ち、人間として生活した。そして人間の心の弱さを知った。
ゼノン 左様、あなたは人間としてデーモンの存在を知り、恐れた。私はあなたの心をキャッチして、あなたの恐れることをやっていくだけでよかった。
飛鳥了/サタン 人間は恐怖し、混乱し、自滅していった。これほど うまく ゆくとはな。私も自分の正体を知った時は恐怖したよ。
ゼノン それで、全てがうまくいったのですよ。ただ、この作戦唯一の誤算は、あなたが不動明を愛してしまったこと。
飛鳥了/サタン ゆうな
ゼノン いいえ!これだけは言わせて頂きます。勇者アモンを犠牲にしてまで不動明をデーモンの世界で生きられるようにと あなたは願った。
50 飛鳥了/サタン それは・・・私が雌雄両性生物だったから・・・女の私が不動明を愛してしまったから。
ゼノン そのために!私は多くの部下を失っただけでなく、恐るべきデビルマン軍団と戦わねばならなくなった。
飛鳥了/サタン 明・・・戦いたくない・・・
ゼノン クッ!・・・不動明とデビルマン軍団、戦わずにすむ方法はないのですか?
飛鳥了/サタン ない!・・・明の性格はわかっている・・・私と戦わずにはいられない。
ゼノン では
飛鳥了/サタン 全軍を集めよ!この戦い、どちらかが死に絶えるまで決して終わらぬ!
アーマゲドン
ナレーション 20年の時が流れた。かつて地球上を、我が物顔で歩き回った人間は、すでに死に絶えていた。
人類が数千年の時を費やし築きあげてきた文明の残骸が、その醜い屍を晒し続けていた。
不動明/デビルマン 時は来た!行くぞおお!
ナレーション 無限の荒野と化した嘗ての中国大陸に、デビルマン軍団が集結しつつあった。
ヒマラヤの奥、氷の国よりやって来るであろう、デーモン軍団を迎え撃つために。
60 飛鳥了/サタン 地上を我々が手に!
ナレーション アーマゲドン。それは、飛鳥了と不動明の憎悪の戦いだった。
風が起こった、大地が唸り、山は悲鳴をあげて崩れた。
海は巨大な竜と化し天空に舞い上がった。
デビルマン軍団とデーモン軍団の巨大な超能力の戦いは苛烈を極めていた。
不動明/デビルマン ぬあああああっ!
飛鳥了/サタン デビルマン!いや、不動明!
不動明/デビルマン でやああああっ!
飛鳥了/サタン まだ戦うの?
不動明/デビルマン 当然だ!俺も、サタン貴様もまだ生きている!
飛鳥了/サタン どうしても・・・一緒には生きられないの?
不動明/デビルマン 俺は お前を絶対に許さない!
飛鳥了/サタン あなたが死ねば、人間たちの記録も失われる。それでもいいの?
70 不動明/デビルマン 貴様らに俺の記録は触らせない!俺は生き残る!・・・そして・・・
飛鳥了/サタン 人間たちの記録を・・・
不動明/デビルマン そうだ、守ってやれなかった俺ができる唯一の償い。俺のために死んでいった美樹や、牧村家の人たちのために、俺は おまえたちに勝つ!
飛鳥了/サタン 何故?共に生きようとは思ってくれないの?
不動明/デビルマン 貴様だけは!絶対に許さない!
飛鳥了/サタン 明・・・
不動明/デビルマン この戦いは終わらせない!俺か貴様か!どちらかが死に絶えるまで、いつまでも続くんだ!!
ナレーション 善と悪。デビルマン軍団とデーモン軍団のどちらが善で、どちらが悪なのか。それを決めるものも、決められるものもいない。全ては、生き残ったものだけが決められること。
異形のものたちが ぶつかり合う様は地獄絵図。
それは、嘗てサタンの戦いを見聞きしたものたちの伝承そのものだった。
永劫の・・・
飛鳥了/サタン 月だ・・・美しい・・・あの月だけは数百万年前と変わっていないよ・・・地球はあの月より美しかったのに・・・。
この小宇宙は、私たちの親が創ったんだよ。君たち人間は、神と呼んでいたね。
神は、この辺境の小宇宙に生命を吹き込んだ。地球は生命に満ち溢れ、色んな生物が育っていった。
数億年ののち、生物の進化の様子を見に戻った神は異様な生物を発見した・・・それがデーモンだったんだ。
デーモンの醜さを、その異常な進化を、その飽くこと無い闘争心を神は恐れ、忌み嫌った。
神はこの小宇宙を無に帰すことに決めた。全てを消し去ることで、自分たちの失敗を償おうとした。
私は怒り、反抗した。自分たちの生み出した生命だから、勝手に殺していいと言うのか?
地球上の生命は生まれたくて生まれたんじゃない、だが生きている!自分の意志で、自分の心で、必死に生きている
私はデーモンと共に神と戦った。君が人間を守るために戦ったように、デーモンと、デーモンの星、地球を守るために。・・・そして・・・勝った。
次なる神の攻撃に備え、我々は200万年の眠りに入った。サタンは神によって氷に閉じこめられたのではなく、戦いのために自ら氷に閉じこもったのだ。
眠りから醒めた時、地球は変わっていた。美しいはずの地球は汚れきっていた。人間という新しい生物のために・・・
私は許せなかった!私が命をかけて守った地球を汚してしまった人間たちを!
私は・・・人間たちを滅ぼすことにした。・・・だがそれは、神がデーモンを滅ぼそうとしたことと同じ行為だった・・・力の強いものが、強いからといって弱者の命を、権利を奪ってよいはずはないのにな・・・
許してくれ明・・・私は愚かだった・・・
明?・・・眠ったんだね明・・・永劫の・・・安らぎの眠りに・・・